なんか,旭川市の保育所がニュースになってる…と思っていたら。先日,こんな文書を保育所でもらった。
保護者各位
旭川市長 西川 将人(公印)
(保健福祉部児童家庭課担当)
保育所保育料の納入について
保育所の保育料につきましては,従来から毎月末日までに納入していただくこととなっております。
保育所における児童の保育に要する費用につきましては,公費と保護者の負担で賄われているため,保育料の滞納は保育料を納めている保護者との公平性の問題はもとより,本市の他の予算から補うなど他者に負担が生じたり,保育所に入所する児童の健やかな育成が損なわれるなど極めて重大な問題となっております。
保護者の皆さんに負担していただく保育料は,日々保育を行っていくうえで必要となる経費の一部となるものです。
本市におきましても,今後は,滞納者に対し保育園長から督促状や催告書等を配布することや市職員による休日・夜間の戸別訪問及び保育料の滞納処分(給料等差し押え)等,保育料の徴収業務強化に取り組んでいくこととしましたので,御理解と御協力をお願いいたします。また,保育料につきましては,納期日までに必ず納入いただきますよう併せてお願いいたします。
保育料納入が困難な場合には,必要に応じて分割納付もできるよう,納入に係る相談を随時行っておりますのでお気軽に御相談ください。
なお,このお知らせは,保育料を滞りなく納入されている皆様を含め,現在入所している全ての児童の保護者にお渡ししておりますことをご了承願います。(以下略,太字・下線は原文まま)
ニュースで報じられて,行政も重い腰を上げたように見えるが,熟読してみると大して効果がありそうには思えなくなってきた。まず「本市の他の予算から補うなど他者に負担が生じたり」のくだりが全然具体的ではない。どの予算で,具体的な他者って誰なのか。結局,市の中でやりくりできてんじゃん。と読めなくもない。
「保育所に入所する児童の健やかな育成が損なわれる」の部分も良く分からない。保育士が雇えなくなり保育の質が低下している?のならそう書けば良いと思うのだが。こんな書き方では,確信犯的な滞納者の心には全然響かないだろう。特に「お知らせを全ての保護者に」と言う所に腰が引けているのを感じるし,逆に役所が舐められるのを危惧する。
滞納者を弁護するわけではないが,保育料の決まり方には根本的な問題があると思う。福祉サービス全般に言える事だが,保育料が”前年の所得”で決まるのは終身雇用が前提の古い社会モデルに根ざしたもので,現在の社会に合っていない。
昨年まで給料をもらっていて,現在無職で求職中でも保育料は昨年の給料で計算され,収入が無いのに保育料は掛かる。逆に。昨年無職で,今年定職に着いた親の場合。職があるにも関わらず保育料は無料。それが年長さんからだと,一円も保育料を払わず義務教育へ移行だ。
保育所に子供を預けるような若い世代では転職・離職は当たり前に起きている。今は昔と違ってネットなどで色々な情報を親も得ることができるから,そういう負担の仕組みで同じサービスというのは払っている側からすれば不公平と言う気がするだろう。ニュースで言う『親の意識』にはそういう感覚も入っているはずだ。
いくら過去に収入があっても,現在無収入の保護者から無理に取り立てるのなら,弱者いじめだ。市の財政は潤うかもしれないが,税金ではなく福祉サービスの料金なのだから,徴収される側の立場にも立って欲しいものだと思う。また,不公平感が少なくなるような制度設計に移行すれば,自然と滞納者も減ると思うのだが,どうだろうか。
個人的には,真面目に少子化を食い止めるつもりなら,国策として保育所や幼稚園は無料にすべきだと思っている。親にゆとりがないと,子供も窮屈に育つのは自分が経験してみて良く分かった。親は他に色々なストレスを抱えているのだから,子供を預ける金銭的な負担くらいは社会で負担すべきだろう。
まぁ,来年から保育所が無料になったりしたら,3年間で100万円以上払うこととなる自分としては損した気もしないわけではないが,未来の国づくりのためなら理解できる。もっとも,お国はその逆(弱者への負担増)の道を進んでいるから,無理だろうなと思う今日この頃だ。
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